依頼原稿について
平成27年
小児内科 東京医学社 Vol.47, No3. 2015
感染症の迅速診断【第1回】
一般外来における感染症の抗原迅速診断テスト
小児科研修医の皆さんや開業医の先生方が読まれる月刊誌です。インフルエンザや溶連菌などの抗原迅速診断は皆さんがよく知っておられると思います。内容はどのような病原体に迅速診断は費用か、検査原理とキットの購入、精度そして検体採取法、判定での問題点、迅速診断キットは遺伝子学的検査法、新しい概念の抗原L7/L12蛋白について解説した。検査はすればよいから適切な検体採取が結果を左右することに注目。
チャイルドヘルス 診断と治療社 Vol.18, No2. 2015
子どもの感染症の考え方
〜 風邪を中心に 〜
この雑誌は看護師、幼稚園教諭、保育師など一般の方々が読者です。内容としてかぜの病名、アレルギー性鼻炎も頭のすみに、うちるかぜとうつらないかぜと対策、せきの出るかぜ・出ないかぜ、臨床診断と病原体診断、かぜの治療、かぜの流行を知るにはというテーマで書いてみました。意外に知られていないのが低年齢児のアレルギー性鼻炎の特徴です。よく保護者の方々から区別する方法を聞かれますが個人的な意見を経験的なことから書いてみました。アレルギー性鼻炎は鼻汁、鼻閉ばかりではなくよく咳をともない季節的な変動と低気圧の通過などによって症状が出やすいことを指摘しました。
山辺こどもクリニック 板垣 勉
平成26年
日本小児科医会会報 第48号158,2014
乳幼児の鼻汁を吸ってみよう
乳幼児の鼻汁は咳のでるカゼの大きな原因です。鼻閉は子どもの咳を遷延させるばかりか中耳炎などの原因にもなります。鼻汁を吸引することで鼻閉が改善し呼吸が楽になることもしばしば経験することです。しかし鼻汁を吸引することで分泌物を多くするウイルスによるものか、少ないウイルスによるものかの判断も可能となります。また鼻汁の色・粘性の強さ・量で原因ウイルスがわかることもしばしばです。迅速診断キットと鼻汁の性状を比較することによって小児科医の診断能力が上がります。
治療「子どもの風邪」南山堂 2014 Vol.96 No.10
「風邪とウイルス性疾患A−咳嗽とウイルス−」
2008年から2012年までに山形県衛生研究所でウイルス検査を行った5058検体の結果をもとに「風邪はうつるものである」という基本コンセプトに書いてみました。現在まで小さな地域でカゼの流行がどのようになっているのかは不明でした。その流行性と季節性を【地域流行とは】・【カゼの季節性】・【症状に影響を及ぼすもの】・【再診の必要な時と予防法】に分けて考えてみました。
小児科診療 診断と治療社 2014 Vol.77 no 2 外来検査を行う前に知っておきたい話
子どもの発熱時に多いのはウイルス感染症である。2008年から2012年までに当院の患者さんからいただいた検体をもとにどの時期にどのようなウイルスが流行しているのかを示した。数多くの病原体迅速診断が開発・発売されているが必要な検査を必要に応じて使用する事と自分でできるだけ臨床症状をまとめることで個人的な診断ポイントを作成すべきである。
平成25年
Medical Practice 文光堂 2013.Vol.30. No12 マクロライド耐性肺炎マイコプラズマ
2012年に山辺町で分離された肺炎マイコプラズマをについて遺伝子シークエンス法で耐性の有無、経時的分離施設と分離株の比較を行ったデータ。確実な診断と保護者への説明と家族内感染での薬剤耐性株による発症を抑えるポイントについて述べた。
インフルエンザ メディカルレビュー社2013 Vol.14. no 3 小児における感冒の特徴
小児の発熱の多くはウイルス性であるが咳の出る風邪と出ない風邪でも病原体が異なる。咳の出る風邪として間違われやすいアレルギー性鼻炎による咳嗽、特定ウイルスの好発時期などについて述べた。
小児科医会会報 2013. Vol.46. 夏風邪は夏ばかりではない Saffold virusの流行
2007年に初めて発表されたSAFVは2009年に大きな流行を示した。その臨床的特徴について2008年に検出されたものも含めて述べた。この他2008年から2012年までの咳の出ない風邪を引き起こすウイルスの好発期についても述べた。所謂夏風邪とは何か。
海外雑誌論文(共著者)
Mizuta K. et al: Epidemic myalgia associated with human parecho virus type3 infection among adults occurs during its outbreak among children, our findings in Yamagata Japan, in 2011. J.Clin.Virol.58:188-93 2013.
Suzuki Y. et al: Outbreak of Macrolide-Resistant Mycoplasma pneumoniae in Yamagata, Japan in 2009. Pediatr. Infect. Dis. J. 32:237-40,2013.
Matsuzaki Y. et al: Human metapneumovirus infection among family members. Epidmiol.Infect. 141:827-32, 2013.
Itagaki T. et al: Two cases of macrolide resistance in Mycoplasma pneumonia acquired during the treatment period. J.Antimicrob. Chemother. 68:724-25, 2013.
Ikeda T. et al: Acute respiratory infections due to enterovirus 68 inYamagata, Japan between 2005 and 2010. Microbiol. Immunol. 56: 139-43, 2012.
Itagaki T. et al: Saffold cardiovirus infection in children associated with respiratory diseases and its similarity to coxsackie virus infection. Pediatr.Infect.Dis.J. 30(8):680-83,2011.