小児科 育児相談 乳幼児検診 山形 山辺こどもクリニック 生活上の注意点と対処法

寒くなったらどうする?
1.湯冷めと就寝
 寒くなって湯冷めすると悪いから早く寝なさいとよく言われます。本当でしょうか?お母さん方の実際の体験と一致するでしょうか?お風呂に入ると確かに体がぬれてしまい冷えてくる可能性はあります。しかし入浴後すぐに布団に入るとどうでしょう?体が火照り布団から足を出したり、布団から抜け出したくなりませんか?現実には布団から抜け出してしまうお子さんのほうが多いのです。したがって入浴後少しお部屋で過ごしてから就寝を促してください。

2.部屋の湿度について
 寒くなると暖房をつけたりするために湿度が低下して咽喉のイガイガ感を感じる時があります。そのときには洗濯物を干す・加湿器を使用するなどが考えられますが、他に入浴時に換気扇を使用しないことでも改善することがあります。暖房器具の種類によって加湿が必要な場合と逆に除湿機が必要な場合があります。加湿が必要な暖房は屋内から外へ排気するタイプや遠赤外線を利用する反射型暖房器具です。逆に室内型の石油ストーブは灯油が燃えるとCO/CO2/H2Oが出るため除湿が必要な場合も出てきます。それよりも大事なことは定期的に換気することが大事です。

3.湯たんぽの利用
 寒いときに電気毛布や電気シーツを利用する方も多いと思いますが、就寝中に汗をかくことも多く朝起きた時にだるく感じる方もいらっしゃいます。このような場合湯たんぽを利用すればと思うかもしれません。もし使用する場合布団に入る前に湯たんぽを入れたら、必ず寝る時にははずすか、足の届かないところに移動させてください。低温やけどという深いやけどを起こし治癒に時間がかかります。特に祖父母の年代で脳卒中や糖尿病で知覚麻痺を起こしている方は注意が必要です。
交通編
1.熱中症への注意
 車内への閉じ込め事故は相変わらず繰り返されています。パチンコばかりではありません。買い物でお子さんをおいて友達との立ち話ほんのわずかな時間でも危険です。

2.車の乗り降り
 お子さんを車に乗せる時は必ずお子さんを先に、降ろすときにはお母さんが先に降りましょう。チョットした油断がお子さんを危険にさらします。

3.チャイルドシートの使用
 車を運転していて後部座席に座っているお子さんが身を前にのりだしている姿がよく見かけられます。非常に危険です。

4.妊娠中のハンドル外傷
 妊婦さんが車を運転していて追突された場合ハンドルにおなかを強くぶつけることになります。その時に胎盤早期剥離を起こす場合があります。お母さんや胎児に危険な状態を起こしますので産科医の診察を受けましょう。

5.自転車での二人乗り
 後部座席にお子さんをのせる場合、お子さんの足が車輪に巻き込まれないように注意してください。
スキンケア編
1.新生児期
 赤ちゃんの代謝が盛んなため皮脂腺が活発に働きます。その為に顔には新生児アクネと呼ばれるニキビのような物が多く出ます。石鹸を手に塗り顔・頭を洗ってください。しかし1ヶ月もすると逆に体はドライスキンになってきますので毎日石鹸で体を洗う事はやめてください。

2.全身型の湿疹
 スキンケアを中心に指導してくださる皮膚科医を紹介いたします。但し時間のないお母さんやお子さんを連れて行かねばならない場合には無理かもしれません。 アレルギーによるものも考えて検査を行なう場合もあります。

3.汗疹の予防
 暑くなると背部やオムツの部位に汗疹が多発します。オムツの上部は汗を吸収しにくいので折り返して使用しましょう。またお昼寝のあとはサッと入浴をしましょう。

4.オムツカブレ
 下痢をすると数時間で赤くなることがよくあります。原因は便による接触性皮膚炎ですから排便後お尻を洗い、吸い取るようにすることが重要です。拭いたりすると治癒機転が阻害される可能性があります。

5.乳幼児の頬の湿疹と衣服について
 寒くなると赤ちゃんの頬がガサガサになりがちです。この原因の一つにお母さん方の着ておられる服が原因になっているような場合があります。お子さんがお母さん方の服に顔をこすり付けるために起こる場合があるのです。保湿剤(白色ワセリン)を頻会(1日5〜8回位)に塗布し着る服(毛羽立った服は避ける)に注意すると落ち着く場合があります。
熱傷・外傷・事故編
1.やけど
 やけどをしたらこすらないようにしてまず水道水を15分くらいかけっぱなしにしてください。けっして服を脱がせたりしないこと。こすると水泡や糜爛を形成します。その後医療機関を受診してください。

やけどで多いのは熱湯(お茶・カップめん等)・蒸気(炊飯器やポット等)・暖房器具です。

2.外傷
 基本的には小児科医ではできません。救急で受診したいと要望があっても応えられません。 時間的にはp.m.7時〜8時頃に多発します。ご注意ください。

3.階段からの落下
 10ヶ月を過ぎる頃より階段を昇り始めます。上のお子さんと二階へ昇ったときは柵をしていても気づかないうちに上のお子さんが降りてきて下の子が階段から落下することを経験します。柵をしているから安全ではないのです。

4.箸・フォークの突き刺し事故
 箸やフォークを持って歩かせないことです。

5. 誤飲事故
 口に入れたまま走ったり・つまずいた時に多い事故です。
ビー玉など球形のもの
 除去しにくいので注意が必要です。
ラップ類
 口内にラップが入っていると窒息しますので注意してください。
ボタン電池
 消化管で停滞すると消化管が腐食します。県立中央病院で磁石を用いた除去を行ないます。早期に受診が必要です。
タバコ
 禁煙が最初です。
酎ハイ
 缶がきれいなのでジュースと間違って飲むお子さんがおられます。キチンとあと片付けをしましょう
シャボン玉
 よくある事故のひとつです。飲み込まないように他のものを利用し、教えてから遊んでください。使用する場合中性洗剤か市販品を使用してください。
こんにゃくゼリー・ナッツ類
 窒息します。3歳までは食べさせないでください。食べさせる時は吸い込んで食べるようなことはしないでください。
化学物質・薬剤類
 中毒110番をご利用ください(急病診療に掲載)
発熱編
 体温は朝が低く午後になると高くなります。38度以上あるいは1日の日内変動が1度以上である場合発熱と考えます。発熱は病原体(ウイルス・細菌等)によるものや他の全身疾患等により生じます。

ご家族からの症状などの情報と患者さんの訴えや所見から総合的に判断して必要な対処法を考えます。  病名の分類は病原体によるもの(溶連菌感染症・アデノウイルス感染症等)と病変部位によるもの(急性咽扁桃炎・急性下気道炎等)とがあり患者さんの理解を混乱させる原因になっています。その為病変部位による説明を中心とし、病原体を確定できるものについては補足説明程度とします。

検査
 医師は常に紹介すべき状況なのか、抗菌薬を投与すべきなのか、原因が何であるかを考えて診察しています。その為に検査が必要になる場合があります。しかし最も大切なのはご家族の第六感です。それを大事にしましょう。最近病原体の迅速診断を2種類(アデノウイルス・溶連菌等)同時に施行されているお子さんを見かけます。年齢によって罹患しやすい疾患・見逃してはいけない疾患(尿路感染症・菌血症・化膿性髄膜炎等)があり、白血球検査・CRP測定・尿検査を用いてこれらの疾患をまず除外すべきで、病原体診断を優先させる意義はありません(但し臨床症状と所見から明らかにアデノウイルス・溶連菌を考えるときには別です)。また集団発生している幼稚園等では2種類も同時検査するメリットはないと考えています。

 当院では流行性疾患の原因を知るためにウイルスの分離培養や血液をいただいて抗体価の調査を行なっています。その結果は山形県衛生研究所微生物部のHPに公開されています。ご協力をお願いいたします。<

必要な情報
 集団生活と流行性疾患・家族歴・いつからどのような症状があるのか(鼻汁・咳・発熱の関係・潜伏期等)。病原体によって症状の出方が異なります。

対処法
 ご自分が子どもの立場ならどのようにしてほしいのかをまず考えてみましょう。それが最善の対処法です。 解熱剤の使用については賛否両論があります。発熱で元気がないのか?病気そのもので元気がないのかを判断するには解熱剤を使用するのもひとつの方法です。しかし基本はクーリングです。

クーリング
 悪寒のある場合にはまず体を暖めます。充分体温が上昇して顔が紅潮する場合には薄着をして熱を放散させましょう(周囲温度が低い場合悪寒を起こしますので周囲温度を上げてから行なってください)。また裸にして暖かいタオルで頭や体を拭いてみましょう。裸にすることで熱の放散を行い、拭くことで発汗した時のように気化熱を奪い体温を下げる効果を効率的に行なえます。解熱剤はその後でも良いかもしれません。

解熱剤の投与
 小児科ではライ症候群との関連性を指摘されているポンタール・インダシン・ボルタレン等成人に使用されているものは使用せず、アセトアミノフェン・イブプロフェンを使用します。使用する場合も1日3回投与とはせずに屯用(必要な時のみ)とします。熱型を知ることも必要ですし発熱のない時に投与する等の過剰投与を防ぐためです。 嘔吐時には経口では投与せずに座薬をまた下痢の時は経口的に使用するのが原則です 。
かぜ編
 カゼは基本的に鼻汁・咳・発熱を主徴とするものです。しかし最近ではおなかにくるカゼ・夏カゼ等と説明される先生もおられ患者さんに混乱が生じます。
 カゼを考えるのに非常に有効なのは咳の出るカゼ・でないカゼという分類法です。これをベースに季節・咽頭所見・症状とその変化・潜伏期等を組み合わせて病原体を推定していきます。鑑別疾患にアレルギー性鼻炎があげられますがちょっとした診察の工夫で簡単に鑑別することが可能です。
 カゼを引いたら耳鼻科を受診する患者さんが多く見受けられますが、まずは小児科を受診しましょう。小児科医がカゼの交通整理をします。当院で検査を行なったアレルギー性鼻炎(表1表2)ウイルス分離結果(表3表4表5)のデータを示します。
鼻出血編
 鼻出血はほとんど鼻中隔の前半部から出ています。その為止血する時は出血している鼻の外側から人差し指全体で2〜3分圧迫してみましょう。
 この時仰向けに寝せないでください。また詰め物もしないでください。仰向けに寝ると血液が咽喉に移動し悪心を誘発し嘔吐する場合もあります。さらに起きた時に両側の鼻から血液が出てきますのでパニックを起こす方もおられます。
嘔吐編
 嘔吐は発熱する前に頭痛と共に起こす場合と下痢する前に起こしやすいものです。普通消化管の動きが悪くなるため胃内容物が増え、停滞して嘔吐します。この場合右側を下にした側臥位か腹臥位で休むようにすると胃液が小腸へ移動しやすくなり悪心が落ち着きやすくなります。また消化管を動かすために浣腸を行なうこともよいでしょう。
 少し落ち着いたらOS-1(スポーツドリンクより塩分の多い飲み物:調剤薬局で扱っています)を少量ずつ投与します。子どもに任せると大量に飲んでしまい再嘔吐することが多いので注意してください。
 排便によって楽になります。胃腸炎が原因である場合下痢が始まると嘔吐は落ち着いてきます。
腹痛と嘔吐は我慢できませんのでできれば早めに医療機関を受診しましょう。
予防接種編
 接種はお子さんの状態が良い時に接種します。その為診療時間内ならばいつでも接種しております。まず来院前にワクチンが確保してあるかどうか数日前に確認してください。

1.定期接種(DPT/MR/日本脳炎ワクチン)
 広域化接種が可能です。山形市・天童市・寒河江西村山地区・東根市の患者さんは差額なしで接種できます。詳細は受付にて確認してください。

 上手に接種するため
 3ヶ月になったらBCGを接種する9〜7日前にDPTワクチン(三種混合ワクチン)を接種してください。1週後にBCGを接種します。その4週後に2回目のDPTワクチンを接種しその3週後に3回目のDPTワクチンを接種します。(基準はBCG接種予定日とします)
お誕生日にMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)を接種します。
Ι期追加DPTワクチンは3回目のDPTワクチンを接種して1年から1年半の間に接種します。
ポリオは春と秋に投与します。但しMRワクチンとダブル場合はMRワクチンを優先とします。
ポリオとポリオの間隔は6週以上あけることになっています。
予定表は当医院でも作成いたします。
接種予定表・健診予定表は必ずカレンダーに転記しましょう。

2.任意接種について
 定期接種でもBCGを生後5ヶ月以内に接種しない場合は任意接種になります。この場合個人負担となる場合がありますのでご注意ください。
 DPTワクチンはDPTワクチンを接種後3〜8週以内に接種することになっています。これを過ぎた場合も任意接種扱いになりますので注意が必要です。
 日本脳炎ワクチンは3歳以降に接種しますが、現在接種を積極的勧奨しないようにとの厚生省通達があります。しかし定期接種として接種できないわけではありません。ご実家が関西以南の方は自治体に申し込めば接種可能です。自治体に問い合わせてください。

 個人で接種するワクチンについて
 ワクチンで予防可能な疾患は現在日本ではオタフク風邪(ムンプス)と水痘です。この予防接種は集団生活する前(幼稚園や保育所に通園する前)にできるだけ受けてください。
 ムンプスの登園停止日数は平均11日・合併症の頻度は約1/10〜20に減らします。最近ムンプス難聴が多く発生することがわかってきています。ムンプスの流行をワクチンで阻止するのが本来のあるべき姿です。
 水痘の登園停止日数は平均7日です。水痘が遠因となって死亡する方もおられます。特にステロイド剤・抗がん剤の治療を行なっている場合、免疫抑制状態にある患者さんあるいは劇症型溶連菌感染による場合もあります。ワクチンで防げる病気はワクチンを接種するのが本来の姿です。
接種せずに罹患した場合そのコストは医療費の他にお母さん方が休んで入る予定の給料も入らないことを加味してください。
 現在化膿性髄膜炎を起こす原因である肺炎球菌とインフルエンザ桿菌ワクチンの導入について厚生省で検討されています。乳幼児期に何度も繰り返す中耳炎や細菌感染症を起こされる方の場合接種したほうがよいとされています。まだ導入されていませんので接種できません。